(あのバカ、こんな狭いところで起動させなくても……!!)
彼女は心の中で叫びつつ、とりあえず舵を取るため、データを一気に打ち込んだ。
「トリスタン号の高度を一定化、ならび速度上昇。……あら? これ、おかしいわ」 <どうしたんですの?> 「速度が、時速700キロになっている。……まさか、これが例のヤツなわけ!?」 <その通りです。今のところは大丈夫ですが、時が来たら、エンジンを切って、高度を下げて下さい> 「了解。高度減少、時速、一時固定」
アベルの声はかなり低く、そして船内に鳴り響く。相手に、ダメージを与えていく。
『な、なんなんだ……、お前は人間じゃ……』 『こういうことをお考えになったことありませんか? 人間が牛や鶏を食べる。その人間の血を吸血鬼
アベルの言葉に、相手は逆上し、一気に攻撃を仕掛ける。
「ケイト、アベルが敵を倒し次第、こちらからトリスタンへ交信する。出来る限り、こっちからも調整するから、 <分かりました。また何かあったら、連絡して下さいまし> 「了解。以上、通信終了」
ケイトとの通信を終え、次の段階に備え、データを修正し治す。
「そんなことしても、アベルに通用するわけないのに、敵もがんばるのね」
プログラムを修整しながらも、横の画面で展開している場面を見ることが出来るを、
少しずつだが高度を下げ、そのままトリスタン号にロードする。
何とかして、ジェシカ・ランクを目覚めさせる方法を考えた。
そんなことを考えている間に、アベルがさっき切り離された左腕を掴み、
『さて、伺いたいことがあります……。お答えを――あなたの裏にいるのは誰です?』
アベルの質問に、考えるより早く、敵は窓を破って飛び出していた。
「この様子からすると……、あともう少しで終わるわね」
はそれを確認すると、すぐにトリスタン号とのコンタクトを取る準備をし始めた。
「トリスタン号との通信機能を解除」
通信画面を確認しつつも、新しいプログラムを呼び出し、すぐに通信可能状態にする。
この言葉を聞いたの同時に、の体を何かが走った。
そしてそれに導かれたかのように現れた、黒い翼を持った男。 そんな風景が蘇った時、当時持っていた怒りが、再び爆発しようとしていた。
「これは……、後催眠!」
あまりにも衝撃的な映像に、は顔をしかめたまま、アベルの様子を見た。
「『罪は永遠に。されど我は死者のために祈らん……』」
場所は違うが、とアベルが、それぞれ死者に祈りを捧げる。 |
この辺りは特に修正はしませんでしたが、やっぱり見るに堪えません(汗)。
そして当時も思ったのですが、よく機内でクルースニク化したよな、アベル(汗)。
だったら絶対にしません。
そんな狭い空間でやったら大変です。
あとからにはっ倒されなくてよかったね(違)。
(ブラウザバック推奨)