「結局、余は神父に迷惑をかけてしまった」
「そのためには、短生種がどうなろうが関係ない、と思ったのね。あなたらしいわ」
「そうじゃ。だからどうしても、仇を取りたくて……」 「そう……。……結局、レンにはもう、会うこともないってことよね。借りを返しそびれたわ」 「彼女は別に、そのことを気にはしていなかった。それに傷は、すぐになくなったしな」 「確かに、ね……」 の目の前では、15年前に起こったことが、鮮明と思い出されていた。 「レン! あなた、どうして……!」 「私のことは気にしないで! あなたはそのまま、アストとともに行って!」 「けど!」 「私は大丈夫。これぐらいの傷で、うろたえるわけにはいかない! 早く!!」
いつか、借りを返そうと思った けどもう、それすら出来ない……。 「……」 「アベルなら平気よ。確かに、出血は激しかったけど、命には別状ないって。明日、お見舞いにでも 「そうか……。……余も、行ってもいいのだろうか?」 「もちろん。きっとアベル、喜ぶわ」 「そうだと、いいんじゃがな……」 「大丈夫。彼はこんなことで気にする人じゃないわ」 「……、……ありがとう」 アストが少し安心した顔を見せたので、も少し安心し、再びミントティーに喉を通し、 カテリーナの要求通り、明日からアベルとアストとともに任務を遂行する予定ではいた。
そう思ったは、アストの部屋を出て、未だサイレンが木霊する町を歩いたのだった。 |
短いのですが、話の区切りがよかったのでここで。
アストとの会話は後に書くことになりますが、
この時点で、はアストがアベルのことが気になってることが分かってたりします。
無駄に勘がいい人はこれだから困ります(え)。
からかってもいいですが、逆に跳ね返ってきそうなのでしません、念のため(笑)。
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