先ほど、1人でのんびりと過ごしたからという理由で、カフェの外で小型電脳情報機を開いていたのもとに、
「ええ。神父トレス、すぐに車の手配をしなさい」 「了解」
トレスはそのままスタスタと歩き出すと、カテリーナはの横に立ち、1つ大きくため息をついた。
「……何かあったの?」 「いいえ、別に何もありません」 「あなたが大抵そういう顔をした時は、よっぽど自分の気に食わないことを言われて苛ついている時だってこと 「そうかもしれませんが、あなたに言うことじゃないわ、」 「よく言うわ」
小型電脳情報機の電源を切り、再び懐に収め、呆れたようにため息をつく。
「どうせ、またアレクが何か言ったんでしょ? 相変わらず、制御が利かない人ね」 「けど、そうでもしなければ……」 「言いたいことぐらい、分かっている。全く、あなたって人は、どこまでそう、他人を振り回すことが好きなのかし 「私は別に……!」 「カテリーナ、私、あなたに言ったわよね? 確かにあの時、私はアレクを推薦した。けどそれは、デステ元大司教 「しかし、彼が昔から、すぐに言い訳を探して、そこから逃げようとするのはご存知でしょう?」 「そうさせたのは、あなたとメディチ猊下も一緒でしょ? それを分かって言っているの?」
その言葉に、カテリーナは黙ってしまい、ただ目の前をジッと見つめているだけだった。
カテリーナがアレッサンドロを聖下の玉座に座らせた理由も分からなくはないし、彼は元から気が短いし、
(こうなってくると……、「彼」がそういった行動に出るのも、少し分かるような気がする)
はあの情報のことを思い出し、ふとそう思ってしまう。
(そうなると、何とかして道を正しい道に導いた方がいいのかもしれない)
彼女の中で何かが見えた時、後方から車が到着し、乗車していたトレスが顔を覗かせた。
「――アレク、何をしているの? 車が来ました。乗りなさい」
カテリーナが外からアレッサンドロを呼び出すと、彼は慌てて店を出て、カテリーナと共に車に乗り込んだ。
「カテリーナさん、いつも以上にピリピリしていましたからね。そうなる気持ちも、分からなくはないですが……。 「あら、聖下がヴァーツラフと、そんなに楽しそうに話してらっしゃったの?」 「ええ。そりゃもう、とてもいい顔をなさってましたよ。本当、ヴァーツラフさんはすごいです。尊敬しちゃいます 「ありがとう、アベル。しかし、それは人徳なんかじゃないですよ。私に人徳なんてありません。あれは、あくまでも 「それは?」
アベルがハヴェルに聞いた時、横からウェイターが勘定書を差し出し、清算を要求してきた。
「うわあ、何ですか、これ! ゼロが2つ多くありません?」 「……私が代わりに払っとくから、そんなみっともない顔をするのはやめなさい、アベル」
がアベルの肩を叩きながら言うと、彼女はウェイターに支払いを済ませるために、ケープから財布を取り出した。
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カテリーナとは、アベル以上に付き合いが長いです。
なので、誰よりも何よりも、彼女の性格のこととかをよく理解している人物です。
だからこそ言える言葉だったりするのではないかと思います。
まあ、言ったところで、すぐに聞いてくれるような相手ではないですけどね(汗)。
このこともあってか、徐々にですが、2人の関係が崩れていくのですが、
それはまたROM4にて。
こんなのばっかですみません(滝汗)。
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