「お騒がせしてしまって、すみませんでした」
数分後、無事に新教皇庁の信徒達は確保され、他のギャングもすぐに市警によって逮捕された。
「それにしても、僧衣はどうしたの?」 「それが、銃攻撃を大量に受けて、ボロボロになってしまい、その上ドブにまではまってしまったので、泣く泣く 「……大変、だったのね、アベル」 「本当、大変だったんですよぉ」
泣き言を言うのはいつものことだが、今回は本物の、正真正銘な泣き言だった。
「で、例のリストの居所は分かったの?」 「それが、全然教えてくれないんです。彼自身はここにあると言ったのですが、どうやらそのリストは違うらしくて」 「そいつは困ったわね。何とかして、相手より先にリストを見つけないと、厄介なことになるわ」
ここは、直接本人に接触するしかない。
「大分落ち着いたようですね、公子?」 「ボクは最初から落ち着いているヨ、シスター……」 「です。・」 「ああ、そうだった、」
(初対面で、許可なく名前だけかい……)
本当は当人に向かって突っ込みたかったが、相手がバレンシア公のご子息ということもあって、
「で、早速なのですが……、例のリストはどこにあるんですか? ナイトロード神父にも、まだおっしゃっていない 「ああ、それね。それなら、もうとっくに焼いちゃったよ」 「……はっ?」
アントニオの答えに、の目が思わず点になってしまう。
「あの、公子? もし焼いてしまったのなら、どうしてスフォルツァ枢機卿に保護を要請したのですか?」 「それは簡単だヨ、。……リストはすべて、ここに入っているんダ」
少し不思議そうな顔で問い掛けるに、アントニオは笑顔で自分の頭を指差した。
「まさか、記憶したっておっしゃるんじゃ……!」 「そのまさか、だヨ。よかった、分かってくれる人デ。アベル君に言っても、きっと冗談か何かだと思ってしまう
この男……、人をなめている。
「どうしたんだい、? そんな顔をしちゃって」 「……いいえ、何でもありません。とにかく、本日はお疲れでしょう。ゆっくりお休み下さいませ」 「うん、そうするヨ。あ、そうダ。今度、一緒にデートしない? すごく雰囲気がいいバーが……」 「行きません! お断りします!!」
は少しキレたように答えると、彼に背を向けて、スタスタと去っていった。
「シスター・、ここの処理は……」 「適当にやって、とっとと撤収! いいわね!!」 「は、はい!!」
たまたま彼女に近づいた神父に向かって、が少し強く支持を出すと、
(もうこうなったら、今日は久し振りに飲んでやる!!)
心の中でそう宣言したなのであった。
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がやけになってますが、気にしないでやって下さい。
それほどイライラする相手だった、ということです。
このシーン、後にRAM4にも登場するのですが、書いてる方は楽しかったです。
アントニオの要求を即答で拒否する、素敵です。
でも、飲みすぎには気をつけてね(汗)。
(ブラウザバック推奨)