「ここ何時まで? ペンテオンの近くに、無茶苦茶うまいレストランを知っているんだが……、ウゴッ!」 「こんなところで、何、シスターをナンパしてどうするのよ、このスケベ神父!!」 今日の日程表が書かれたファイルで男の頭を殴りつけると、相手は頭を抱えてしゃがみ込んでしまった。 「! てめえ、何しやがる!」 「こんなところで、変なことをするからいけないのよ! ロレッタ、ビックリしているじゃない!」 「お、ロレッタちゃんって言うのか。かわいい名前だなぁ」 <ぬぁにやってんですか、神父レオン!> 長官執務室からケイトの立体映像が現れ、と挟み撃ち状態になる。 「よぅ、ケイト。久しぶりだな。その後、元気だったかね?」 <“元気だったかね?”じゃありません! レオンさん、貴方、何やってるんですか、何を!> 「いや、2ヶ月ぶりの娑婆だし、こちらのお嬢さんに、街でも案内してもらおっかなと……」 「嘘ばっかり。はい、さっさと入りなさい。全く、油断も隙もあったもんじゃないわ」 「へいへい」 がノラ猫でも追い払うように執務室へ追いやると、彼女とケイトも続いて中に入ろうとした。 <シスター・ロレッタ、これから打ち合わせがあります。人払いを願い。……それとあなた、ちゃんと手を洗って 「俺は鮭かい……。またな、ロレッタちゃん」 <「“また”はありません(ないわよ)!」> ケイトとが見事にハモって言うと、レオンはにやにや笑いながら執務室に入っていった。 「おう、拳銃屋じゃねえか。ぶっ壊れたって聞いたが、もういいのか?」 「肯定――シスター・と“教授”により改善されている。問題ない」 「相変わらず、は仕事馬鹿やっているわけだ」 「別に好きで仕事馬鹿になったわけじゃないわよ」 「はたから見れば、そうなんだよ」 自信、本当に自分が仕事馬鹿だとは思っていないのだが、どうしてこう、 「しかし、お前と拳銃屋がいるのに、この俺を別荘から呼び出したってことは……、ふふン、 <まず、こちらをご覧いただけます?> レオンとがそれぞれソファーに座ると、ケイトが指を上げ、暗くなった部屋の壁にスライド写真が浮かび上がる。 「バルセロナか……。はン、話にゃ聞いてたが、酷いもんだ」 <これはさんが、ローマに戻る途中、飛行船の中から撮ったものです。この件については、もうご存知ですね。 「今回、トレスとレオンにはスフォルツァ猊化の護衛をするのと同時に、このテロの防止をしてもらうわ」 「お前はどうするんだ、?」 「私は別途で、スフォルツァ猊化の元につく予定よ」 「何だよ、それ?」 「シスター・は、アルフォンソ・デステ大司教の命により、今夜の終?式に参加することになっている」 <その通りです。なので、さんもそばにいますが、間接的にしか関わることがないので、二人でカテリーナ様の 本当は、も一緒にカテリーナの護衛をした方が都合いいのだが、今回はアルフォンソ大司教の誘いであり、 「それより、ローマ崩壊ねえ……。はったりじゃねえの? “沈黙の声”とか言ったか? バルセロナの低周波兵器 「それを探すのが我々の任務だ。――なお付け加えるなら、予告が虚偽である可能性は極めて低い。情報が正しい 「ほう」 トレスが手元にある資料をめくりながら、詳細を説明していき、レオンが関心したような声を上げる。 「じゃ、早速済ませようかい。確かミラノ公は法王宮にいるんだっけな」 「それがレオン、今回の作戦活動に関して、スフォルツァ猊化から1つ注意があるの」 <現在、市内は都市警と特務警察が非常警戒中です。万が一にもそんなことはないと思いますが、 「そういや、さっき、アルフォンソ大司教がどうのって言っていたが……、はて、どこかで聞いたな。……あ、 「言葉を慎みしみなさい、レオン」 いたって冷静にレオンをたしなめたは、自分が持っている資料に再び目を通し始めた。 アルフォンソ大司教がローマに戻ることを知ってから、彼女の頭には5年前のことが頭の中を駆け巡っていた。 最初、票はアルフォンソの方が有利だった。 『私は、スフォルツァ猊化、ならび、メディチ猊化と共に、グレゴリオの庶子であるアレッサンドロ][世を
「……で、負けた叔父貴は枢機卿を辞任して、ゲルマニクスの田舎に引っ込んだと。……要するに、拗ねちまった 「……彼をそんな風に言うのはやめてくれる、レオン?」 「だって、その通りじゃ……」 「いいから、やめなさい。……気に食わないから」 その言葉はとても尖っていて、普段のとは少し違ったように聞こえた。 <で、でも、このたび、5年ぶりにローマにお帰りになられてるんです。ようやく叔父・甥が仲直りされたわけで とレオンの間に流れた空気を変えるかのように、ケイトが少し焦ったように話す。 「……ま、俺らも警察と遊んでる暇なんてねえしな」 レオンも少し諦めたように言うと、その場から立ち上がり、の頭を少しクシャッとした。 「……おう、ところで、そういや、あのへっぽこはどうした? 奴もこの任務についてんだろ?」 <いえ、それがその……> 「ローマにある、すべての教会を調べているのよ、アベルは」 ケイトが言う前に、資料をパタンと閉じて、その場に立ち上がったが答えた。
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「OVERCOUNT」です。
しょっぱらからレオンに華麗などっ突きを入れてみました(笑)。
彼女のどっ突きの強さ、体験してみたい人はぜひ。
え? したくないって?
大丈夫ですよ。気絶はするけど、死にはしませんから(当り前じゃ)。
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