『バッチリだぜ、。……何か、ザーザー言ってないか?』 「自動二輪車を運転しながらだから、仕方ないでしょ?」 『ってことは……、まだ着いていないのか!?』 「いいえ、アベルは無事に着いたわ。けどレオン1人じゃ大変だろうと思って、私だけ抜けて来たの」 『そりゃ、助かるな。……おっとてめぇ! 危ねえじゃねえか!』 「……そこに何かいるの?」 『ああ。何かよく分からんが、口のでかいミミズみたいなのが、地面を這いつくばっていてよ。なかなか方柱まで どうやら、あの“魔導師”は何かを仕掛けたらしい。の頭に、ヴェネツィアで見た顔が頭を遮った。 イザーク・フェルナルド・フォン・ケンプファー。 しかし、ここで振り返ってはいけない。 レオンとの通信を終わらせ、ギアを入れ替え、スピードを上げていく。 サン・ピエトロ広場に到着すると、自動二輪車を乗り捨て、 「レオン、大丈夫!?」 「大丈夫と言えば大丈夫だが、かなり面倒だぜ、こりゃ」 「このままじゃ、破壊どころの話じゃないわね。……こうなったら、私がこいつらを引き付けるから、その間に 「分かった。あまり無茶はするなよ!」 「当然!」 はレオンとハイタッチをして交換すると、両側に備えてある銃を取り出し、強装弾装備に切り替え、 その間、レオンは制服から取り出した粘土の塊を、が来る前に仕掛けた信管と違うところに埋め込むと、 「! こっちはバッチリだ!」 「分かったわ。あとはこいつらを……!」 “地精”を避けてながら話している時、の胸元が、急に激痛が襲いかかった。 「! ヤバイ、、逃げろ!」 「―――!!!」 胸の痛みは、そうすぐに動けるものではない。 腕時計式リストバンドの円盤が勝手に動き、「1」で止まる。 『……ご無事ですか、わが主よ?』 「な、何と、か……。ありがと、フェリー……、助かっ……、うっ!」 『無理しないで下さい、わが主よ。今から、鎮痛剤を打ちます』 「お、お願い……、はぁっ!」 基盤の針の真ん中から出てきた針が手首に深く刺さり、そこから流れる鎮痛剤がの体に流れ出す。 「ありがと、フェリー。本当、助かったわ」 『構いません、わが主よ』 鎮痛剤の効果もあり、彼女は何とか立ち上がると、あと2匹まで減った“地精”に向かって、攻撃を再開させた。 (アベル……、大丈夫なのかしら?) あの激痛があったと言うことは、アベルに何かが起こったことのサイン。 (早く終わらせて、アベルのところまで行かなくては……!) 残り1匹というところまで来て、は大きく身を翻した。 「最後は俺に譲れ、!」 方柱から離れたレオンが、の方へ走っていくと、手首につけていた戦輪を投げ出すと、 方柱に設置された小型爆弾が、静かに爆発したのだった。
「何とかね。原因は分かっているから、特に問題はないんだけど」 再び静寂が訪れた中、レオンが心配げにの顔を覗き込んだが、彼女の顔にはすでに元に戻っていて、 「しかし……、こいつはすごいな。爆発したのにも関らず、まだ原型を留めやがる」 「本当ね。しぶといのにも、ほどがあるわ」 方柱が崩壊されたと言うのに、“サイレント・ノイズ”だと思われる部品は、 「さて、ミラノ公のところへ行くとするか」 「そうね。……って、ちょっと、レオン。あなた、それ、持っていくんじゃないでしょうね?」 「ああ。だってよ、ちゃんとしとめたのを見せないとさ」 「……それ持って、私の愛車に乗られたら困るわ。一人で歩いていってくれないかしら?」 「あのなぁ、ここからそんなに距離はねえんだから、走っていくぞ、走って!」 「えっ! そんな、走っていくだなんて!! こう見えても、一応病人……」 「そんな元気な病人、どこ探してもいねえよ。ほら、行くぞ!」 「ちょ、ちょっと待ちなさい、レオン!」 先ほどの“地精”の頭部と“サイレント・ノイズ”を両脇で抱えて走っていくレオンの後ろを、 (これって、やっぱあのステーキ効果なのかしら?) ふとそんなことが頭を横切ったのだが、相手に口にすることなく、 その間に聞こえた朝課の鐘が、朝のローマに、静かに響き渡った。 |
レオンの援護に向かった理由はいくつかありますが、
一番の理由は、トレスの場合、が向かった時にはもう終わってそうな気がしたからです。
それに、レオン1人でケンプファーが仕掛けものを倒すのは大変ですし。
なので、にはレオンの助っ人へ行ってもらいました。
プログラム達は、の危機を感じると勝手に起動することがあります。
今回がそのいい例です。
特にプログラム「フェリス」は、よく勝手に起動します。
ありがたいプログラムです。
(ブラウザバック推奨)