白の長袖Tシャツの上に黒のハイネックのロングコートを羽織り、 法王宮はもちろん厳戒態勢だったが、今の彼女にはそんなことはどうでもよかった。 目的の人物が滞在しているベルヴェデーレ宮殿の近くに自動二輪車を止めようとしたが、 自動二輪車をひたすら走らせ、自動車の横に自分のバイクを寄せようとした。 (どうやら、事の真相は本当みたいね) 軽く舌打ちして、再び右手に銃を持つ。銃弾を避けながら、撃ってくる相手の腕を撃ち抜く。 右手に銃を持ったまま、彼女は自動車の横まで詰め寄る。 窓がゆっくりと開き、そこからアルフォンソの顔が覗かれる。 「どうして、攻撃をするのかね、殿?」 「最初に攻撃したのは、そちらからではありませんか、アルフォンソ様?」 「ふん……、まだ私に向かって、その口調で対応してくれるのかね、君は?」 「まだちゃんとした真相、分かっていませんですから」 事実、プログラム「スクラクト」から、すべての内容は聞いてはいた。 「なら、話そうではないか。……私はこれから、ケルンに“真教皇庁”という新しい国家を立てる予定で 「だからアイツらと……、“薔薇十字騎士団”と手を組んだのですか!?」 「その通りだ。いいか、殿……、いや、シスター・。確かに5年前、君のあの一声で、私は教皇になることが 「あること? それは何です?」 銃を握り締める力が、自然と強くなっていく。 「15年前、君が助けた吸血鬼がいた。確か……、アリア、と申していたか?」 「……あなた、まさか……!」 「そうだ。あの日、本当は人間どもが殺したはずの死体の首元に2つの穴をあけ、血痕のように見せかけるように 15年前、彼女が初めてキエフ候アスタローシェ・アスランと、 「あの屋敷にいた者達に、私が犯した不正を知れてしまってね。どうしても抹殺しなくてはいけなかったのだが、 「それじゃ、アリアは……」 「たまたま通りかかっていた吸血鬼だったわけさ。銀の弾丸で倒そうとも思ったが、その場にあった銃でも簡単に の体が、かすかに震えていた。 「……許さない……」 静かに、しかし底から燃えがらる怒りが、の周りを包み上げていく。 「絶対に、絶対に……、許さない……」 頬につたる涙が、かすかにだが光り、そしてその目は、鋭く相手を睨みつけていた。
目の前から何かが、の方向へ向かって飛んで来て、近づくにつれ、その形が具体化していった。 「……ヤバイ!」 は銃を下ろし、そのまま右に避けると、飛んで来たものは、後ろに丁度あった木に、見事にぶっ刺さった。 再び前を向くと、地面が真っ黒に染まり、そこから何やら、大きな体をした者が現れる。 (こいつら、一体何者!?) はアルフォンソを乗せる自動車を再び追おうとしたが、その場の地面が再び黒く染まり、 「ここで、永遠のお別れだ。今までいろいろと、楽しかったよ。君の心使い、深く感謝する。……さらばだ、 どこからともなく聞こえる声に、は耳も傾けず、目の前にいる敵を凝視する。 何も考えず、彼女は自分の腕に銃を突きつけ、1発打ち込んだ。 許せない。 絶対に……、絶対に……、許さない……!
敵は手にしていた大きな斧をに向かって振り下ろすと、彼女は身軽に飛び上がり、 5分もかからなかったであろうか。無数にいたはずの敵が、すべてバラバラになっている。 大剣がゆっくりと消え、ゆっくりと目を閉じる。 ゆっくり目を開けた時、彼女の目からは先ほどまでの鋭さがなくなり、少し落ち着いたかのようにも見える。 (……早く、何とかして、あいつを止めないと……) リボンで髪を縛りなおすと、イヤーカフスを弾き、レオンにコンタクトを取ろうと試みる。 「神父レオン、聞こえてますか?」 『ああ、聞こえているぜ? ……その様子だと、お怒りは冷めたようだな』 「とりあえずはね。今日は逃がしたけど」 『そりゃ、怖いこった』 「で、そっちの状況はどうなの? 今、どこにいるの?」 『本部に向かう途中の大通りだ。きっとアベルを乗せた装甲車が通るのは、この道しかないと思うからな』 「分かった。私も今から、そっちに合流するわ。近くにトレスがいるなら、そう伝えて」 『了解。……それよりお前、大丈夫か?』 「何が?」 『何がって、その……』 レオンの声が篭ったように聞こえ、はレオンが何を言いたいのか分かって、かすかに微笑んだ。 「……ありがとう、レオン。もう、大丈夫だから、心配しないで」 『……、……分かった。じゃ、早く来いよ』 「了解! ――以上、通信終了」 は再びイヤーカフスを弾くと、この戦闘の中で耐え抜いた自動二輪車に乗り込み、再び走り出した。
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が持つフローリストは、普段から5パーセントです。
なので、10パーセントという中途半端な力を出すことが可能なのです。
まあ、あまり使いませんけどね。
アルフォンソ、本当に嫌いです。
本当に腹が立ってきます。
クレア、次に会った時は思いっきり痛い目に合わせなさい(笑)。
そして、ここで触れた事件については、またもや過去編にて(汗)。
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