「全く、の仕事馬鹿もここまでくると修復不可能ね」
執務室のソファに座っているを見ながら、カテリーナはため息を1つつき、紅茶を一口飲んだ。
「カテリーナ、これは仕事馬鹿とか、そういう問題じゃないの。ただこのままユーグを放置したままじゃ、
まるで私達が彼の寿命を縮めているような気がして嫌なだけなのよ」
「それは、相手が元同僚だったからですか?」
「『元』なんかじゃない。今でも私は、彼を同僚だと思っているわ。いくらあなたが剥奪しても、その気持ちだけは変わらない」
の目が、カテリーナに鋭く向かれている。
何度かこういったことは多くあったが、今回ばかりは本気の目をしている。
「……成長したのね、」
「え?」
「昔だったら、他人のことはそんなに感心を持たなかったはずなのに、今ではこんなに相手のことを考えてる。
何か、心境の変化でもあったのですか?」
「今でも、他人のことなんてどうでもいいわ。でも、それとこれとは、話が別よ」
「そうですか? 私にはそう見えませんけど……」
「……何が言いたいの、カテリーナ?」
「いいえ、何も。ただ思ったことを言っただけよ」
ここ13年、彼女とつき合っていても、なかなか相手の心境を把握することが出来ない。
何とかして見つけ出したいのに、それすら出来ない自分が、たまに不甲斐ないと感じる時すらある。
……一体、何を考えているのだろうか?
「……いいでしょう。ユーグ・ド・ヴァトーの現状を調べて、私に提示しなさい。資料がまとまり次第、すぐに動くわ」
「……本当に、やっていいのね?」
「私が嘘をついたことがありますか、?」
「……いいえ。逆に、予想以上のことをしてくるのがあなただものね」
「その通り。資料次第で、私が指示を出すかどうするか決めます。ちゃんと用意してきなさい」
「……了解」
は紅茶をすべて飲み乾すと、その場に立ち上がり、すぐに執務室を出て行った。
いなくなったソファを見つめた後、カテリーナはその場に立ち上がり、窓際へと向かい、窓に寄りかかった。
そして、外に出たと思われる先ほどの客人の姿を、ずっと眺めていた。
それはまるで、自分の「家族」を想うかのように。
「あなたはまだ、気づいていない。知らない間に、他人を大切にしていることを……」
この言葉は、彼女に届いたであろうか?
ふと、カテリーナはそう思った。
短いのですが、とりあえず説得編です。
最後、ちゃんと紅茶を飲み干してしまうあたりが、さすがですね。
頂いたものはちゃんと頂く人ですから(笑)。
ここまで来ると、、ユーグに気があるように見えますが、違いますよ!!
彼女には、アベルというお方がいますから(違)!!
でもカテリーナが言う通り、仲間意識はついて来ていると思われます。
それが証明されるのが、次の「JUDAS PRIEST」なんですけどね。
とりあえずは、その前兆ということで。
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